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その後少ししてから,私は彼が書いたマイラ・バトル(注:Myra Buttle → My + ra + Buttl e→ My Rebuttal マイ・レバトル,即ち'我が抗弁'のしゃれ/添付写真)という仮名のもと創作したウィットに富んだ韻文をとても楽しんで読んだ。・・・彼はその年(1964年)の12月,彼が亡くなる2週間ほど前に,再び私達夫婦を訪ねて来た。そしてその時,彼自身もそう言っていたが,-私達はほんの少ししか会ったことがなかったが-,ただちに,お互い,古くからの友人のように感じた。・
One of the keenest pleasures of these years has been my friendship, a friendship in which my wife shared, with Victor Purcell, and one of the losses over which I most grieve is his death in January, 1965... A little later I rejoiced in his witty verses written under the pseudonym of Myra Buttle (a pun for My Rebuttal).... He came again to visit us in December, little more than a fortnight before his death, aud suddenly we felt, as he said, that we were old friends, though we had seen each other so little.
Source: The Autobiography of Bertrand Russell, v.3 chap. 4
More info.:https://russell-j.com/beginner/AB34-220.HTM
<寸言>
添付写真が Victor Purcell が Myra Buttle という女性の偽名で書いた作品(The Bithes's Brew or the plot against Bertrand Russell (Watt's & Co., 1960)です。稀少本ですが、私も1冊所蔵しています(ただし、未読)。
Bitch(ビッチ)というのは「嫌な女」といったくらいの意味でしょうか? 14-15世紀頃から女性を罵る言葉として使われてきたようです。人によって込めるニュアンスが異なり、「あばずれ女」「金銭目的で男と寝る女」といった性的な意味が込められる場合があるとのことで、Purcell がどのようなニュアンスを込めているかは、未読のため不明です。
ところで、試しに Google で「Bithes's Brew 」を検索したところ、意味を説明している記事が少しありました。ひとつだけ紹介しておきます。即ち、
「名盤には逸話がつきものですが、ご多聞に漏れずマイルス・デイビス『ビッチェズ・ブリュー』にも数多くのウラ話、エピソードがあります。・・・『ビッチェズ・ブリュー』というタイトルを見て、どういう意味?と思われる方は多いのでは。難解と言われている内容からして、とてもミステリアスで深い思索に基づく言葉だろうか?等と思いめぐらせてしまいます。諸説あるのですが、中山康樹さんの著書によればこの言葉は、マイルスの自宅近所のレストラン「セレンディピティ」のメニューの余白に書かれていたイラストに添えられた言葉だったようです。おそらく語感を気に入ったマイルスがそこから採用したんでしょうね。拍子抜けしてしまうエピソードですが、マイルスがとても感覚的な人だったということが伺えます。・・・」
「この題名は、マイルスが書いたこのアルバムの1曲をとったものであるが、われわれが知っている意味では「あばずれ女どもは陰謀をたくらむ」といったことになる。もっとちがった意味があるのかもしれないが、それはよくわからない。」
https://www.facebook.com/legacyjp/posts/1810888785674035
まあ、どうでもいい事かもしれないですが・・・。
#バートランド・ラッセル #Bertrand_Russell