バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )


 ウォーレン委員会報告書(オズワルドの単独犯行と断定)が,1965年9月に発表される前に,私のところに送られてきた。それを受け取り -明らかに多くの人がうるさがったが- 私はただちに自分の考えを述べた。私は,下らないことを言っており,ウォーレン委員会報告書さえ読んでいない,また,事前に読むことができなかった,といった言葉が広まった。事実を言えば,マーク・レーンは報告書の初期の複製を私に送ってくれていて,私はそれを読み,考える時間があった。(その後)ウォーレン委員会報告書が詳細に吟味され,報告書を批判することは'人格高潔である'とされる今日,多くの人が私と同意見であり,この問題に対する,以前の自分達の態度も私の態度もすんなりと忘れてしまっている。

I was sent the Warren Commission's Report before it was published in September, 1965, and at once said, to the apparent annoyance of many people, what I thought of it. Word went about that I was talking through my hat and had not even read the report, and could not have done so. In point of fact, Lane had sent me an early copy which I had read and had time to consider. Now that the Warren Commission Report has been examined minutely and it is 'respectable' to criticise it, many people agree with me and have blandly forgotten both their and my earlier attitudes.
 Source: The Autobiography of Bertrand Russell, v.3 chap. 4
 More info.: https://russell-j.com/beginner/AB34-200.HTM

<寸言>
 政府機関が疑われる場合は、政府機関から独立した(影響を受けない)調査委員会を設置する必要があります。(財務省が疑われているのに財務省が「第三者からなる」調査委員会を設置しても、「第三者」とは言えません。麻生副総理の態度に自民党内や与党公明党から批判がほとんど出ないのは不思議です。)
 政府(ジョンソン大統領)が設置したウォーレン委員会は「迅速に」オズワルドが単独犯だという結論を出しましたが、現在のアメリカではオズワルドの単独犯行説をまともに信じている人はほとんどいません。
 しかし、ラッセルが英国で委員会を設置してオズワルド単独犯行説に疑問を呈しても、「イギリス国民は関係ないじゃないか!」「英国の委員会には調査能力はない」「ラッセルはウォーレン委員会報告書をよく読まずに(あるいは、まったく読まずに)勝手なことを言っている」という批判がなされ、まともには取り扱われませんでした。
 日本よりはましかも知れませんが・・・?

 
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