バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )


 募金活動において困難であったことの一つは,我々の活動の多くは,たとえば特別な理由で投獄されている人々(注:政治犯など?)や離散家族やマイノリティ・グループに関する活動については,成功するまで口外することができず,もし口外しようものならその活動はすぐに効果がなくなってしまうだろう,ということであった。国際調停に関する論議や計画については,それはより一層真実であった。そのため,我々が活動していくために説明しなければならないことを,詳細に聞かれた場合,いつも漠然と,一般的な言葉で話さなければならなかった。だから,特に鋭敏な人や,既にこの運動に賛同している人しか,納得させることはできなかった。


One of the difficulties in our begging was that much of our work - that concerning special prisoners or broken families and minority groups, for instance - could not be talked of until it was accomplished, if then, or it would be automatically rendered ineffective. The same was even more true of discussions and schemes concerning international adjustments. When asked, therefore, precisely what we had to show for our work, we had to speak chiefly in vague and general terms, which carried conviction only to the astute and the already cenverted.
 Source: The Autobiography of Bertrand Russell, v.3 chap. 4
 More info.: https://russell-j.com/beginner/AB34-130.HTM

<寸言>
 偽りの慈善活動や募金活動によって利益を得ようとする輩がけっこういますので、募金活動に対しては警戒する人が少なくありません。
 ましてや、諸事情から詳細な説明ができないような活動(政治犯の解放など)の場合、必要な活動資金を集めることは困難を極めます。
 通常は説明できないはずはないと思ってしまいますので、「鋭敏(敏感)な人や既にその運動に賛同している人しか、納得させることができない」ということになってしまいがちです。
 1961年にアムネスティ・インターナショナルが設立されてからは、ラッセルらの負担も軽減されていったのではないかと思われます。

 
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