バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )


<『拝啓ラッセル様ー一般市民との往復書簡』から>
 僕は15歳です。何冊か哲学の本を読みましたが、その結果多くの対立する考え方が僕の頭の中に固く植えつけられています。・・・どうしたらこれらのいろいろな考え方から僕の知性を解放し、何ものにもとらわれないで自由に考えることができるか、あなたのアドバイスをいただけないかと思いますがいかがでしょうか?

 拝啓 ランキン君,
 知的独立にとって危険なのは、誤りをおかすということではありません。危険なのはあらゆるものに疑問を発したがらなくなることです。・・・。この疑うということは、自由な心(知性)のためには大変貴重なものです。・・・私は真理というのはなかなか獲得できないものだということ、また純粋に探求を続けようとする心(知性)や何ものにもとらわれない自由な心(知性)にとっては、確実性ということはそうやすやすと手に入れられるものではないということを示唆しようとしているだけです。・・・。

I am 15 yrs. of age and having read several books on Philosophy, have consequently many conflicting views firmly implanted in my own mind. ... I wonder if you could advise me in any way at all on how I might be able to rid my mind of these ideas,...

Dear Mr. Rankin,
... It is not error that which is a danger to independence of mind. It is unwillingness to quesiton everything. .. This doubt is precious because it suggests an open mind. ... I only mean to suggest that truth is an elusive things, and that certainty is never available to a genuinely enquiring and independent mind.
 Source: Dear Bertrand Russell, 1969.
 More info.: https://russell-j.com/beginner/DBR3-05.HTM

<寸言>
 言わば、福沢諭吉の唱える「独立自尊」(Self-Respect and Independece of Mind)の精神の強調ですが、ラッセルの場合は、知的誠実性をより求めるものです。
 「知的独立にとって危険なのは、あらゆるものに疑問を発したがらなくなること」であり、年を取れば取るほど、先入観が増えていきがちです。最悪なのは、何事も多数派に従っておけば、間違っていることがわかっても、「多くの人が間違ったのだから」と自分を簡単に許すことができる「処世術」を身につけることです。そうして、権力者に従い(長いものには巻かれろ)、無難に小市民的な生活を送る(足るを知る)のが一番よいという態度をとり、敏感な若者に毛嫌いされる種になる可能性があります。

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