バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )


 ある朝,二人の青年と一人の若い女性が私の家の玄関先の踏み段のところに現われ,私と核兵器反対の運動について議論をしたいので私に面会したいと要求した。私はしばらくの間彼らとその問題について議論した後,もうそろそろお帰りになる時間だと彼らにそれとなく知らせた。彼らは帰ることを拒んだ。・・・彼らは我が家の応接間で坐り込みを始めた。いささか心配になり,私は警察を呼びにやらせた。・・・その坐り込みの連中というのは,あとでわかったことであるが,世間に名前が知れわたることを望んだ女優と,彼女の崇拝者で彼女の手助けをしたいと望んでいた2人の若者であった。彼らは世間に名前が知れ,私にとっては面白い逸話となり,大変愉快な出来事であった。

One morning two young men and a young women appeared upon my doorstep and demanded to see me as, they said, they wished to discuss anti-nuclear work. I discussed matters with them for some time and then intimated that it was time for them to go. They refussed to go.... They proceeded to stage a sit-down in my drawing-room. With some misgivings, I sent for the police...The latter were later discovered. I was told, to be a young actress who wanted publicity and two of her admirers wishing to help her. They got the publicity and provided me with a good story and much entertainment.
 Source: The Autobiography of Bertrand Russell, v.3 chap. 3
 More info.: https://russell-j.com/beginner/AB33-240.HTM

<寸言>
 日本の「尊敬されている」有名人の場合は、とても「彼らは世間に名前が知れ,私にとっては面白い逸話となり,大変愉快な出来事であった」などと言う精神的余裕はなく、「ひどい目にあったよ」「非常識な奴らだ」といった非難がましいことしか言いそうもないですね。

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