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<『拝啓ラッセル様ー一般市民との往復書簡』から>
マンチェスター・ガーディアン紙に載っておりますあなたの平和のための新しい冒険的試み(運動)についての記事を興味深く拝見しました。・・・。実は、1918~1919年頃、(反戦運動で)あなたがケンブリッジ大学で私と同じようなトラブルに巻き込まれていた時、私はウォームウッド・スクラブス刑務所にいました。
(ラッセルからの返事・1963年10月3日付)
拝復 グリフィン様,
あなたのお手紙とご厚情あふれるご寄付をいただき、たいへん嬉しく存じます。・・・私は、1918年から1919年にかけて、反戦運動に熱狂していた時代を極めてはっきりと記憶しています。あの戦いの仲間であり、元囚人だった人からのお便りを頂戴して嬉しく思いました。
I have read with great interest the article in the Manchester Guardian of your new venture for peace and ...
May I say I was in Wormwood Scrubs when you were in the same trouble at Cambridge about 1918-1919. ...
Dear Mr Griffin,
I was delighted to recieve your letter and your generous contribution .... I remember very acutely the hectic days of 1918-1919 and it pleases me to hear form a comrade and ex-prisoner of that struggle.
With best wishes (Oct 3rd. 1963)
Source: Dear Bertrand Russell, 1969.
More info.: https://russell-j.com/beginner/DBR3-02.HTM
<寸言>
政府批判は、平時(平和な時代)においては罪にならなくても、戦時においては取締の対象となり、最悪の場合は逮捕されてしまいます。 現代の英国であれば、暴力行為を伴わないデモ行進が理由で逮捕されることはないでしょうが、今から60年前(1961年)の反核運動では多くの逮捕者がでました。 今だったら、民主主義国においては、大規模なデモをしても、交通を阻害した罪で、1,2日、「勾留」されることはあっても「逮捕」されて長い間刑務所に入れられることはないので、安心してデモに参加できます。しかし、世界を見渡せば、今でも反政府的な行動をすれば捕まってしまう国はけっこうあり、そういった国に旅行する場合は要注意です。
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