「ウォームウッド・スクラブス刑務所の元囚人からの便り」(『拝啓バートランド・ラッセル様』所収)
* 出典:R.カスリルズ、B.フェインベルグ(編),日高一輝(訳)『拝啓バートランド・ラッセル様(市民との往復書簡集)』
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・・・。実のところ、1918~1919年頃、あなたがケンブリッジ大学で私と同じようなトラブルに巻き込まれていた時、私はウォームウッド・スクラブス刑務所(Wormwood Scrubs)にいました。
私は今、88歳というよりはむしろ89歳に近いのです。そして、年のせいで大したことはできなくなりました。・・・。
(ラッセルからの返事・1963年10月3日付)
拝復 グリフィン様,
・・・。あなたのお手紙とご厚情あふれるご寄付をいただき、たいへん嬉しく存じます。どうぞわたしの感謝の気持ちをおくみとりください。
わたしは、1918年から1919年にかけて、反戦運動に熱狂していた時代をきわめてはっきりと記憶しています。あの戦いの仲間であり、元囚人だった人からのおたよりを頂戴して嬉しく思いました。
敬 具 バートランド・ラッセル
(日高一輝訳『ラッセル自叙伝』第3巻(理想社,1973年刊)より)
Dear Mr Griffin,
I was delighted to receive your letter and your generous contribution and wish you to know of my appreciation. I remember very acutely the hectic days of 1918-1919 and it pleases me to hear form a comrade and ex-prisoner of that struggle.
With best wishes,
Yours sincerely
Bertrand Russell