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・・・ロンドンのユニバーシティ・コレッジの大講堂で行なわれたゴア主教とあなた(ラッセル)との間の公開討論について何らかの情報を教えていただければ幸いです。
拝復 カーペンター様
あなたが言及しておられる討論の時にゴアー主教が私にどんな印象を与えたのか、申し訳ありませんが私はまったく思い出せません。あの時のことについて私が記憶している唯一のことは、当時6歳だった私の息子が、乳様突起(炎)のために耐えがたい痛みに苦しんでおり、手術を受けようとしてしていた時にその討論会が行われたということと、討論に参加していたゴア主教の支持者の一人が苦痛は全て罪に対する罰であると主張していたことだけです。
I am grateful ... if you would give me some information about the public debate between Bishop Gore and yourself which took place in ...
Dear Mr Carpenter,
I am sorry to say that I have no recollection of the impression made upon me by Bishop Gore on the occasion to which you allude. The only thing that I remember about the occasion is that it occurred when my son, then aged six, was suffering intolerable pain from mastoid for which he was about to be operated, and that one of Bishop Gore's supporters in the debate maintained that all pain is a punishment for sin.
Source: Dear Bertrand Russell, a selection of his correspondence with the general public, 1950-1969,
More info.: https://russell-j.com/beginner/DBR1-10.HTM
<寸言>
Dear Bertrand Russell はラッセルが亡くなる前年の1969年(ラッセル97歳)の時に出版されたもので、ラッセルがやりとりした一般市民との往復書簡を収録したものです。ラッセルは晩年には毎日100通以上の手紙を世界中から受け取っており、それを毎日ほとんど全て読み、できるかぎり返事を書いていたそうです(もちろんタイピングは秘書がやっていたでしょうが・・・。)
なお、下記のように邦訳もだされましたが、残念ながらアマゾンでも現時点(2021年5月18日)でも売られていません。
R.カスリルズ、B.フェインベルグ(編),日高一輝(訳)『拝啓バートランド・ラッセル様-市民との往復書簡集-』(講談社,1970年7月 302pp.)
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