ラッセル関係電子書籍一覧 |
1950年6月末,オーストラリア国際問題研究所の招きに応じてオーストラリアに行き,多くの大学で冷戦に関連する主題について講演をした。・・・。私は,タスマニアを除き,オーストラリア全土を訪ねた。・・・。私は,演説をしたり,新聞記者のインタビューをに応じたり,非常に多忙な状態にされ続けた。そうして,オーストラリア滞在の最後の日に,美しい装丁で製本された新聞記事切抜帳をプレゼントされた。新聞記者達が,私自身の発言として報道した多くの記事は気に入らないけれども,私はいまでもその切抜帳を大事にしている。
At the end of June, 1950, I went to Australia in response to an invitation by the Australian Institute of International Affairs to give lectures at various universities on subjects connected with the Cold War. ... I visited all parts of Australia except Tasmania. ... I was kept very busy making speeches and being interviewed by journalists and, at the end of my stay, I was presented with a beautifully bound book of press cuttings which I cherish, though I do not like much of what the jourulists report me as saying of myself.
Source: The Autobiography of Bertrand Russell, v.3
More info.: https://russell-j.com/beginner/AB31-180.HTM
<寸言>
アラン・ウッド(著),碧海純一(訳)『バートランド・ラッセル-情熱の懐疑家』(木鐸社,1978年)によると、某記者が「(ラッセルは)知恵者のコアラに似ている」と言ったことが気になり、ラッセルはメルボルンの動物園にコアラがどんな顔をしているか見に出かけ、コアラはとても愛嬌のある動物なので非常に嬉しかった、とのことです。
ラッセル(当時78歳)は来日した時も招聘した改造社によって「連れ回され」ますが、オーストラリアにおいても「連れ回され」ました。しかし、日本の場合と異なり、旅を楽しみ、非常に多くの人と会っています。
ラッセルの伝記はたくさん出されていますが、『バートランド・ラッセル-情熱の懐疑家』は最初の伝記とも言ってよいもので、内容は秀逸です。(故)碧海純一氏(当時東大法学部教授)が訳されており、信頼できるものであり、お勧めしたい本です。しかし、残念ながら、アマゾンで販売されているものは、2021年3月11日現在、4,600円から36,000円まで、法外な価格になっています。昔は、1,500円くらいでいっぱい古本屋にあったのですが・・・。
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#バートランド・ラッセル #Bertrand_Russell