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私たちは,オスロからトロンハイムまで,水上飛行艇(海上飛行艇)でいかなければならなかった。飛行艇が着水した時,何かまずいことが起こったことが明らかとなった。しかし,機内の私たちには,何が起こったのか誰にもわからなかった。飛行艇がゆっくりと沈んでいく間,私たちは機内にじっと坐っていた。・・・後で知ったことであるが,禁煙になっている客室にいた19人の乗客は全員死亡した。・・・。それより先,オスロで,私のために席をとってくれようとしていた友人に,席をとってくれるなら喫煙できるところにしてくれなければ困ると伝え,さらにおどけて「もし私が煙草を吸えないようなら,死んでしまう!」と伝えた。それは,思いがけなく事実となった。
We had to go by sea-plane from Oslo to Trondheim. When our plane touched down on the water it became obvious that something was amiss, but none of us in the plane knew what it was. We sat in the plane while it slowly sank. ... We later learned that all the nineteen passengers in the non-smoking compartment had been killed. ... I had told a friend at Oslo who was finding me a place that he must find me a place where I could smoke, remarking jocularly, 'If I cannot smoke, I shall die'. Unexpectedly, this turned out to be true.
Source: The Autobiography of Bertrand Russell, v.3
More info.: https://russell-j.com/beginner/AB31-090.HTM
<寸言>
だからと言って喫煙習慣は悪くないということにはならないですが、禁煙の座席に座っていたらラッセルも死亡していたはずなので、「人間万事塞翁が馬」あるいは「一寸先は闇」といったところです。
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