バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

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 真理を知ることは大部分の人々が考えるよりももっと難しいことであり,真理を独占するのは自分たちの党派だと信じて無慈悲な決意を持って行動することは,大きな災害を招くことである。現在におけるある種の悪は,将来におけるいくらか疑わしい利益のためにあえて行う価値があるという長期的な推定(計算)は,常に疑いを持って眺めなければならない。なぜなら,シェイクスピアが言っているように,「将来というものは,いまだ確実ではない」からである。最も洞察力のある人でさえ,十年もの将来を予言するような場合には,ひどく外れがちである。このような説を不道徳だと考える人がいるかも知れないが,結局のところ,「明日を思い煩うことなかれ」と述べているのは聖書なのである。

To know the truth is more difficult than most men suppose, and to act with ruthless determination in the belief that truth is the monopoly of their party is to invite disaster. Long calculations that certain evil in the present is worth inflicting for the sake of some doubtful benefit in the future are always to be viewed with suspicion, for, as Shakespeare says: 'What's to come is still unsure.' Even the shrewdest men are apt to be wildly astray if they prophesy so much as ten years ahead. Some people will consider this doctrine immoral, but after all it is the Gospel which says 'take no thought for the morrow'.
 Source: Bertrand Russell, : Ideas That Have Harmed Mankind,1946
 More info.: https://russell-j.com/beginner/0861HARM-180.HTM

<寸言>
 英国人だったら、「シェークスピアが "'What's to come is still unsure.' と言っているように」と聞けば、シェークスピアの喜劇(Telfth Night / 『十二夜』)のあのセリフだとわかるのでしょうが、シェークスピア劇のファン(あるいは宝塚ファン)でないと、日本人にはすぐにはわからないのではないでしょうか?(What is love? ’tis not hereafter; Present mirth hath present laughter; What’s to come is still unsure.)
 ウィキペディアによると「宝塚歌劇団は1980年に『十二夜』の翻案による『恋の冒険者たち』を上演している。2005年には、尾上菊之助が蜷川幸雄に演出依頼し、『十二夜』を歌舞伎演目として作り替える『NINAGAWA十二夜』が上演された」とのことで、案外知っている人もいるのかも知れませんが・・・。

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