バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

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 1944年の年のうちに,第二次大戦が終わりつつあること,しかもドイツの敗戦で終わりつつあることがしだいに明白になった。・・・。
 帰国後の生活は,以前と同様,公的および私的のさまざまの出来事の混じったものであったが,私的な部分の方がますます重要なものとなった。そうして,私は,ずっと以前に済んでしまった私的あるいは公的な出来事と,今なお続いていてそのまっただ中に自分が生きている出来事とを,同列に語ることはできないということに気づいている。そのことがもたらす取り扱い方の違いに,読者のなかには驚かれる方もいるかもしれない。私としては,読者が,取り扱い方が多様になることは避けられないことを理解していただき,「文書による名誉棄損」の法律のために,やむをえず口が重くなるのも仕方がないと認めてくれることを望むことしかできないのである。 

During the year 1944, it became gradually clear that the war was ending, and was ending in German defeat. ...
My life in England, as before, was a mixture of public and private events, but the private part became increasingly important. I have found that it is not possible to relate in the same manner private and public events or happenings long since finished and those that are still continuing and in the midst of which I live. Some readers may be surprised by the changes of manner which this entails. I can only hope that the reader will realise the inevitability of diversification and appreciate the unavoidable reticences necessitated by the law of libel.
 Source: The Autobiography of Bertrand Russell, v.3
 More info.: https://russell-j.com/beginner/AB30-PREF.HTM

<寸言>
 名誉の質や量は、人によってかなり異なると考えられています。偉い人や権力者は、一般人に比べ、けた違いの「名誉」を持っているとされ、そういった人が「自分の名誉を傷付けられた」といって裁判に訴えると、有罪になってしまう可能性が少なからずあります。
 それに比べ、一般庶民はほとんど名誉を持っていないので、誰か偉い人や権力者から罵倒されたということで「名誉毀損」で訴えても敗訴することは火を見るよりも明らかです。従って、通常、そんなことはしません。もちろん、裁判費用の問題もありますが・・・。

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