バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

ラッセル関係電子書籍一覧

 『西洋哲学史』は,偶然のきっかけで執筆し始めたものであったが,結果として,長年にわたる主な収入源となった。・・・。
 私は,時々批評家から,私は真実の歴史を書かず,書こうと恣意的に選んだ(歴史上の)出来事に偏った説明を加えている,といって非難された。しかし私の考えでは,何らかの偏見(先入観)をもっていない人間は -もしかりに本当にそのような人間が存在するとして- 興味深い歴史など書くことができないだろう。私は,先入観がないふりすることは,単なる誤魔化しにすぎないと考える。さらにいえば,本というものは,他のいかなる著作同様,そのよって立つ観点とともに,考えられるべきものである。これが,多数の著者による論文集が,一人の著者の本よりも,1つの統一体としてより面白みのないものになりがちな理由である。

The History of Western Philosophy began by accident and proved the main source of my income for many years.... I was sometimes accused by reviewers of writing not a true history but a biased account of the events that I arbitrarily chose to write of. But to my mind, a man without a bias cannot write interesting history if, indeed, such a man exists. I regard it as mere humbug to pretend to lack of bias. Moreover, a book, like any other work, should be held together by its point of view. This is why a book made up of essays by various authors is apt to be less interesting as an entity than a book by one man.
 Source: The Autobiography of Bertrand Russell, v.2
 More info.: https://russell-j.com/beginner/AB26-080.HTM

<寸言>
 狭い研究領域の,他人が読みたいと余り思わない研究論文を書く人(研究者)は非常に多数います。しかし、そういった論文は、学位をとるためには必要ではあっても、同様の研究をしている人たちにしか読まれず、どれだけ世の中の役に立っているのかよくわからないものが(特に人文科学や社会科学の分野については)少なくないように思われます。
 そういったものとは異なり、ラッセルの『西洋哲学史』は西洋哲学(史)の研究者だけでなく、多くの一般人に読みつがれてきており、多くの人々の知的好奇心を刺激してきました。『西洋哲学史』はもともと一般市民向けの講義をもとにしたものなので、冗談がところどこで急にでてきたり、ニーチエ、カント、ヘーゲル、ベルグソンを酷評したりしているところがあったりして、彼らを尊敬している「真面目な」人たちの反発をまねいてきました。

 ラッセル関係電子書籍一覧
#バートランド・ラッセル #Bertrand_Russell