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バーンズ博土は,常にちやほやされていないと気がすまず,非常に喧曄好きだった。私は,彼からの申し出を受ける前に,彼はすぐに人に飽きてしまうと忠告を受けていたので,私は,彼から5年間の契約を強引にとりつけた。(しかし)1942年12月28日,私は彼から,契約を(1943年)1月1日から打ち切ると通告する手紙を受け取った。私は,このようにして再び,裕福な状態から窮乏の状態へと追いやられた。・・・
私の訴訟事件が法廷にかけられると,バーンズ博士は,私の講義は不十分であり,浅薄でお座なりのものである,と不平を述べた。それまでに終えた講義について言えば,,既に私の『西洋哲学史』の初めから2/3まで進んでいた。その講義の原稿を私は裁判官に提出した。・・・。その裁判官は慎重に審理してくれた。そうして私は勝訴した。
He demanded constant flattery and had a passion for quarrelling. I was warned before accepting his offer that he always tired of people before long, so I exacted a five-year contract from him. On December 28th, 1942, I got a letter from him informing me that my appointment was terminated as from January 1st. I was thus reduced once again from affluence to destitution. ...
When my case came into court, Dr. Barnes complained that I had done insufficient work for my lectures, and that they were superficial and perfunctory. So far as they had gone, they consisted of the first two-thirds of my History of Western Philosophy, of which I submitted the manuscript to the judge, though I scarcely suppose he read it. Dr. Barnes complained of my treatment of the men whom he called Pithergawras and Empi-Dokkles. I observed the judge taking notice, and I won my case.
Source: The Autobiography of Bertrand Russell, v.2
More info.: https://russell-j.com/beginner/AB26-060.HTM
<寸言>
バーンズ博士(1872-1981)が収集した2,500点以上のフランス近代絵画(ルノワール181点、セザンヌ69点、ピカソ46点、その他)は、米国フィラデルフィア郊外にあるバーンズ財団(美術財団)の建物(2012年建設)に所蔵・展示されています。バーンズ博士は、ルノワールやマティスなどに関する著書を出版していますので、単なる絵画のコレクターではなく、研究者です。コレクションは「非公開、非複製、売却禁止」が原則で、(ラッセルも『自伝』で書いていますが)近代建築の巨匠のル・コルビュジェ(上野の国立西洋美術館の設計でも有名)の見学希望を、自分が指定した時間以外は認めないと言い張って、断っています。
私は視聴していませんが、「推定価格2兆2,500億の美術品を持つバーンズ美術館の存続危機を描いたドキュメンタリー」があるとのことで、以下に紹介が出ています。
https://www.cinematoday.jp/news/N0019934
なお、YouTube にも Barnes Foundation の紹介動画があります。
https://youtu.be/do4aQj0G4Fo
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#バートランド・ラッセル #Bertrand_Russell