バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

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 父親がいろんな心配事で悩むこともありうるし,母親が多数かつ多様なこまごましたことで疲れ果ててしまうこともありうることを知る(理解する)ことは,少年少女にとって,良いことである。・・・。家族的な愛情のない世界は,他人にいばり散らそうとし,それに失敗するとへつらいはじめるような人間から成る,ぎすぎすしかつ機械的な世界になりがちである。こういう悪い結果は,ある程度,子供たちを寄宿制(全寮制)の学校に入れることから生み出されるのではないかと思う。そして,こういう悪い結果は,寄宿制(全寮制)の学校の大きな長所を帳消しにしてしまうほど深刻なものだと私はみなしている。

It is good for boys and girls to know that their father can be harassed by worries and their mother worn out by a multiplicity of details. And it is good that filial affection should remain alive during adolescence. A world without family affection tends to become harsh and mechanical, composed of individuals who try to domineer, but become cringing if they fail. I fear that these bad effects are to a certain extent produced by sending children to boarding schools, and I regard them as sufficiently serious to offset great advantages.
 Source: On Education, especially in early childhood, 1926, by Bertrand Russell
 More info.:https://russell-j.com/beginner/OE17-030.HTM

<寸言>
 親と子供は、子供が小さい間は、知識量や考える力や人生経験が格段に差があるので、いろいろな意味で対等に向き合うことはできません。子供は、成人するまでは家庭において両親の支援を受けて、いろいろな面で成長していく必要があります。
 そうして、いつまでも親の助けをあてにすることは良くないので、(生まれつきのハンディがない限り)経済的にも独立し、いろいろなことを自分の頭で考えて対処していくことが望まれます。
 しかし、中学生のような精神的に成長していない段階(日本の場合は未熟な多くの高校生も含む)で全寮制の学校に入れることは、長い目で見て、いろいろ弊害を起こしそうです。(本人は自覚しなくても、周囲に弊害を起こしそうです。)

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