バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

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 私が言っているのはこういうことにすぎない。即ち,科学的な精神を養いたいということである。著名な科学者も自分の専門領域以外ではこの精神を持っていない者が多い。・・・敵対する宣伝家達が,絶えず我々に向かって嘘を火炎のようにのように吹き付け,我々に毒薬を飲ませようとしたり,互いに毒ガスで殺しあうように誘っている世界においては,こういう批判的な精神の習慣ははかり知れないほど重要である。目の前で断定をくりかえされると簡単に信じてしまうのは(軽信性は),現代世界の悪弊の一つであり,学校はそれを防ぐためにできることは全てやらなければならない。。

What I am saying is no more than this : that I should cultivate the scientific spirit. Many eminent men of science do not have this spirit outside their special province . .. In a world where rival propagandists are perpetually blazing falsehoods at us, to induce us to poison ourselves with pills or each other with poison gases, this critical habit of mind is enormously important. Ready credulity in the face of repeated assertions is one of the curses of the modern world, and schools should do what they can to guard against it.
 Source: On Education, especially in early childhood, 1926, by Bertrand Russell
 More info.:https://russell-j.com/beginner/OE16-100.HTM

<寸言>
 自分の専門領域に関して科学的な態度を保つことは容易ですが、自分の専門領域以外のことについてはどうしても先入観を偏見を持ちがちです。それを自覚していればいいですが、そうでない場合が少なくなく、時々ビックリします。
 現代はいろいろなメディアがあり、情報があふれていますので、それらの情報のなかで正しい情報や事実を見つけ出すことはとても重要ですが、日本の学校教育においてはあまりそういった訓練はなされません。たとえば、昔政府が国民を騙していたことが後にわかったというようなことは無数にありますが、「過去の歴史に学ぶ」ということで、そういった事例を学校教育でとりあげられることはほとんどありません。一部の教師がそんなことでもしたら、偏向教育として非難されてしまいます。そうして、「由らしむべし知らしむべからず」の精神で政治が行われても怒ることなく、ろくでもない政治家を選挙で選び続けているしだいです。

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