バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

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 知育が道徳的な配慮によって左右されることは,知性のためにも,またひいては(最終的には)性格のためにも,良くないことである。ある種の知識は有害で,ある種の無知は有益だと考えるべきではない。教授される知識は,知的な目的のために教授されるべきであり,道徳的または政治的な結論を立証するために教授されるべきではない。

It is a bad thing for intelligence, and ultimately for character, to let instruction be influenced by moral considerations. It should not be thought that some knowledge is harmful and some ignorance is good. The knowledge which is imparted should be imparted for an intellectual purpose, not to prove some moral or political conclusion.
 Source: On Education, especially in early childhood, 1926, by Bertrand Russell
 More info.:https://russell-j.com/beginner/OE14-020.HTM

<寸言>
 愛国心教育は「知育」ではなく、「心の教育」だと言う人がいるかも知れません。しかし、子供に「自分の国を愛するように教育」する場合には、抽象的に「自分の国を愛しましょう」といっても伝わらないので、自国の歴史や文化等の長所や都合のよい事実の知育が伴う場合がほとんどです。間違っても、たとえば、第二次大戦時に、中国大陸で残虐行為(例:南京事件)をした、関東大震災の時朝鮮人が多数惨殺された、などということは教えないか、教えるとしても世間で言われているのは誇張であり、たいしたことではなかった、といった伝え方がされます。
 「美しい国」の国民がそんなことをするわけがない、というわけです。「美しい国」の住人がみな「美しい心」を持っているとは限らず、歴史を学べば、「美しい国の醜い私」の実例を多数知ることができます。それも「歴史に学ぶ」ことによって得られる教訓の一つのはずです。

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