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民主的でないいかなる形態の社会主義のもとにおいても,経済的権力を支配している人々は,いかなる物も「所有すること」なく,豪華な官舎の使用,最上の自動車の利用,王侯のような遊興費,公的な行楽地での公費負担による休暇等々が可能である。そうして,彼らは,なぜ支配権を現在持っている人々以上に,一般労働者に対してもっと関心をもつべきであろうか?(関心を持つはずはないではないか?) 一般労働者に彼らの地位を奪いとるだけの権力を持っていない限り,彼らが一般労働者に関心を抱くような理由はまったくない。
Under any form of socialism which is not democratic, those who control economic power can, without 'owning' anything, have palatial official residences, the use of the best cars, a princely entertainment allowance, holidays at the public expense in official holiday resorts, and so on and so on. And why should they have any more concern for the ordinary worker than those in control have now? There can be no reason why they should have, unless the ordinary worker has power to deprive them of their positions.
Source: Power, a new social analysis, 1938, by Bertrand Russell
More info.:https://russell-j.com/beginner/POWER18_200.HTM
<寸言>
資本主義であろうと、社会主義であろうと、牽制できないような強大な権力を持っている者は、一般労働者のことなど真剣に考えようとはしない。
しかし、何らかの原因・理由(民主主義社会においては、選挙など)で、自分の支配的な地位や権力を失う状況になって初めて、被支配層の考えや感情を真剣に考慮し始める。
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