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モンテッソーリ夫人が彼女の方法(モンテッソーリ方式)を完成させたのは,保育園と似たような機能を持つ施設においてであった。ローマ市内の(何箇所かの)大きな借家で,それぞれ大きな部屋が1つ,3歳から7歳までの子供たちのために用意され,モンテッソーリ夫人がこれらの「子供の家」の管理を委託されたのである。デットフォード(注:マクミラン女史の保育園があった英国の Deptford)の場合と同様に,子供たちは最も貧困な階層の出身であった。デットフォード同様,その成果は,幼年期に面倒を見てあげれば,悪い家庭の身体的・精神的なハンディキャップを克服できることを示したのであった。
It was in institutions having a similar function that Madame Montessori perfected her methods. In certain large tenement houses in Rome a large room was set apart for the children between three and seven, and Madame Montessori was put in charge of these "Children's Houses". (note: See Montessori, The Montessori Method (Heinemann, I9I2), pp 42ff.) As in Deptford, the children came from the very poorest section of the population; as in Deptford, the results showed that early care can overcome the physical and mental disadvantages of a bad home.
Source: On Education, especially in early childhood, 1926, by Bertrand Russell
More info.:https://russell-j.com/beginner/OE13-060.HTM
<寸言>
保育園が普及している現代では、保育園の充実は当たり前のことだとほとんどの国民が思っています。しかし、モッテッソーリ夫人の偉業を知っている人は少なく、また保育の歴史を調べてみよう・考えて見よう、と思う人もあまりいません。
ラッセルの発言は今からみれば常識的なことですが、『教育論-特に幼児教育について』は1926年の出版で、ラッセル自身、この本を出版した翌年に幼児学校 Beacon Hill School を創設し運営したことを知っている人もほとんどいません。いや、それどころか、ラッセルのことを知っている人も多くはありません。ラッセルが反核運動をしている頃(1960年代)は、毎年10大学くらいでラッセルの英文が大学入試に出題されていたなんてとても信じられないことだろうと思われます。
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