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その頃私は,自分が入りこんでいると思われるトンネルのもう一方の先(出口)からはたして抜けだすことができるかどうか,しばしば思案した。私はよく,オックスフォード近くのケニントンにある歩道橋の上に立ち,通過する汽車を眺め,明日こそは汽車の下に身をなげだそうと決意した。しかし,翌日になるといつも,多分『プリンキピア・マテマティカ』はいずれ(いつかは)完成するだろうと望んでいる自分を見出した。
At the time I often wondered whether I should ever come out at the other end of the tunnel in which I seemed to be. I used to stand on the footbridge at Kennington, near Oxford, watching the trains go by, and determining that tomorrow I would place myself under one of them. But when the morrow came I always found myself hoping that perhaps Principia Mathematica would be finished some day.
Source: The Autobiography of Bertrand Russell, v.1
More info.:https://russell-j.com/beginner/AB16-150.HTM
<寸言>
当時ラッセルは、私的な不幸(夫婦関係)とも重なって人生最大の不幸の渦中にあった。今後、真理探求(学問・研究)においてもたいしたことができなければ、このままずっと生き続けてどんな意味や意義があるというのか? いっそ死んでしまったほうがよいのではないか? 少なくとも今の苦しみはなくすことができる・・・。
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