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ホワイトヘッド夫人はいつも,夫がケンブリッジの小売商人たちに支払わないといけない高額の請求書を急増させていることを発見したが,それを言うことによって彼を狂気に駆り立てるかも知れないという怖れから,彼女は夫に,彼らに支払うだけの金がないことを言う勇気がなかった。私はいつも,必要なお金を内々で彼女に手渡していた。ホワイトヘッドを欺くことはとてもいやなことであり,彼がもしこのことを知ったならばきっと耐え難い恥辱だと思ったであろう。しかし,彼の家族は支えてあげなければならないし,「プリンキピア・マテマティカ」は書き上げなければならず,これらの目的を達成するためには,これ以外の方法はないように思われた。
Mrs Whitehead was always discovering that he had run up large bills with Cambridge tradesmen, and she did not dare to tell him that there was no money to pay them for fear of driving him over the edge. I used to supply the wherewithal surreptitiously. It was hateful to deceive Whitehead, who would have found the humiliation unbearable if he had known of it. But there was his family to be supported and Principia Mathematica to be written, and there seemed no other way by which these objects could be achieved.
Source: The Autobiography of Bertrand Russell, v.1
More info.:https://russell-j.com/beginner/AB16-100.HTM
<寸言>
このようなことはホワイトヘッド(1947年没)が死んだ後だから書けること(ホワイトヘッド夫人はラッセルより7歳年上)
因みに、ラッセルは T・S・エリオット(1888年9月26日 - 1965年1月4日)にも資金援助をしている。(後に、裕福になってから返済している。)
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