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私は,当時(注:1896年頃)のアメリカを,島国英国人としての思いあがった(自惚れた)優越感をもって眺めていたが,それにもかかわらず,アメリカの大学人,特に数学者たちとの接触によって,ほとんどの学問的な問題について,英国よりもドイツの方が優れているということを実感するようになった。旅行をしているうちに私は,不本意ながらも,知る価値のある一切のものはケンブリッジ大学で知ることができるという信念は,徐々に崩れていった。この点に関しては,旅行というものは非常に有益であった。
I viewed America in those days (note:America in the 1890s.) with the conceited superiority of the insular Briton, Nevertheless, contact with academic Americans, especially mathematicians, led me to realise the superiority of Germany to England in almost all academic matters. Against my will, in the course of my travels, the belief that everything worth knowing was known at Cambridge gradually wore off. In this respect my travels were very useful to me.
Source: The Autobiography of Bertrand Russell, v.1 :
More info.:https://russell-j.com/beginner/AB15-160.HTM
<寸言>
「井の中の蛙大海を知らず」とはよく言ったもの。今ではネットで世界中のいろいろな情報をえられるが、自分の好きなものや自分が関心を持っているものに関する情報ばかり見ていれば、新しい意味での「井のなかの蛙」になってしまう。
ラッセルは若い時からいろ、いろなことに関心を持っていたが、当時は交通機関やメディアが発達していなかったのでやはり実体験できることや得られる情報は限られていた。
多くの日本人が北朝鮮の国民の無知ぶり・狂信性を笑うが、政府が公開する情報が限定され、他に情報入手手段がほとんどなければどの国の国民も他国民から「笑われる存在」になってしまう。時々戦中時代に撮影された動画を見て、戦中の日本国民が北朝鮮の人達と同じような狂態を示していた姿をじっくり鑑賞してみるとよいのではないか?
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