バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

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 自分自身しか愛さない人は,確かに,愛情の無差別さ(多情さ)について非難されることはない。しかし,熱愛の対象がいつも変らないため,ついには'耐えがたい退屈'に苦しむ運命にある。罪の意識に苦しんでいる人は,特殊な形の自已愛に苦しんでいる。この広大な全宇宙の中で,彼にとって最も重要だと思われることは,自分自身が道徳的であるということである。このような特殊な自己没入を奨励してきたのは,一部の伝統的宗教の重大な欠点である。

The man who loves only himself cannot, it is true, be accused of promiscuity in his affections, but he is bound in the end to suffer intolerable boredom from the invariable sameness of the object of his devotion. The man who suffers from a sense of sin is suffering from a particular kind of self-love. In all this vast universe the thing that appears to him of most importance is that he himself should be virtuous. It is a grave defect in certain forms of traditional religion that they have encouraged this particular kind of self-absorption.
 Source: The Conquest of Happiness, 1930
More info.:https://russell-j.com/beginner/HA28-010.HTM

<寸言>
 自分自身しか愛さない人、ナルシシスト、罪の意識にとらわれ苦しんでいる人、自分が道徳的であることが一番重要だと思っている人など、自意識の強い人は自分で自分の不幸を創っている、あるいは招いているという側面が強い。
 自意識過剰であることは不幸の原因の一つであるが、伝統的な宗教や道徳にもその原因を生み出しているものが少なくない。
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