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自宅(祖父母の屋敷 Pembroke Lodge)に戻ってから,私は,一部始終を家族(注:両親はラッセルが幼児の時死亡)に話した。すると彼らは,型にはまった因襲に従い,反応した。彼らは言った。アリス(後の初婚相手)はレデイ(淑女)ではない,幼児誘拐魔だ,下層階級のやま師だ,私の未熟につけいろうとしている女だ,いかなる上品な感情も持っていない人間だ,作法知らずのために私を一生恥ずかしめるような女だ,と。しかし私は父から相続した約2万ポンド(注:現在の物価に換算すると,4~5億円か)の財産をもっていたので,家族の言うことには全然耳をかさなかった。
When I came home (= Pembroke Lodge), I told my people what had occurred, and they reacted according to the stereotyped convention. They said she was no lady, a baby-snatcher, a low-class adventuress, a designing female taking advantage of my inexperience, a person incapable of all the finer feelings, a woman whose vulgarity would perpetually put me to shame. But I had a fortune of some £20,000(pound) inherited from my father, and I paid no attention to what my people said.
Source: The Autobiography of Bertrand Russell, v.1
More info.: https://russell-j.com/beginner/AB14-120.HTM
<寸言>
ラッセルの父母はラッセルが3歳になるまでにジフテリアにかかって亡くなっている。自由主義的な考えの持ち主だった両親であればラッセルの初恋を暖かく受け止めたであろうが、ペンブローク・ロッジ(祖母及び親戚が住んでいた屋敷)の家族は典型的な英国貴族であり、平民の(それもアメリカ人の年上の)女性との結婚はとても許せるものではなかった。
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