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子供のゲーム(遊戯)は,他のことにもっと有益に使える時間の全てを費やしているわけではない。仮に,子供の時間の全てがまじめな目的のためにあてられたとしたならば,子供の神経はすぐにまいってしまうだろう。夢想にふけっている大人には,それを実現するために努力せよと言ってやればよい。しかし,子供は,持っていて当然であるような夢をまだ実現することができない。子供は,自分の空想を,現実世界の永遠の代用品だとは考えていない。それどころか反対に,時が来ればその空想を実現したいと熱望しているのである。
His (Child's) games do not take up time which might be more profitably spent in other ways: if all his hours were given over to serious pursuits, he would soon become a nervous wreck. An adult who indulges in dreams may be told to exert himself in order to realize them ; but a child cannot yet realize dreams which it is right that he should have. He does not regard his fancies as a permanent substitute for reality ; on the contrary, he ardently hopes to translate them into fact when the time comes.
Source: On Education, especially in early childhood, 1926, by Bertrand Russell
More info.: https://russell-j.com/beginner/OE05-050.HTM
<寸言>
昔から「子供の遊びは仕事だ」とよく言われる。つまり親も子供の遊びの意義をある程度理解しているということ。しかし、「大人になったら自分の好きなことばかりやっておれず、与えられた仕事を手際よくやって収入を得る必要がある」ということから、「遊んでばかりいないで勉強しなさい!」と言って、社会にとって「有益な人間」に仕立てようとする。
もちろん、野球でもフィギュアスケートでも、プロになれそうであれば、「遊んでばかり」していても親から怒られない。そんなことはほとんど皆無であるが・・・。
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