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しかし王朝は永久に続かず,また王族(王家)はみな強奪者や外国の征服者から始まっている。通例,宗教は何らか伝統的な儀式によってその家族を(支配者として)合法化する。聖職者の権力は、このような機会に利益を得る。聖職者の権力は,王の威厳を支持する必須のものとなるからである。「司教なきところには王は存在せず」とはチャールズ一世の言葉であるが,この格言に類似したことが王の存在していた全ての時代において真実であった。
But dynasties do not last for ever, and every royal family begins with a usurper or foreign conqueror. Usually religion legitimizes the new family by means of some traditional ceremony. Priestly power profits by these occasions, since it comes to be an essential support of the royal prestige. "No Bishop, no King," said Charles I, and the analogue of this maxim has been true in all ages in which kings have existed.
Source: Power, a new social analysis, 1938, by Bertrand Russell
More info.: https://russell-j.com/beginner/POWER05_030.HTM
<寸言>
最初は武力によって制圧し建国。支配層はしだいに公家(貴族/有閑階級)と武家(武士)に分かれ、役割が細分化していく。支配層は、褒美と人事で配下の者をうまく操れば安泰。
しかし、それは国内に限定しての話。家来や追従者に分け与える富が不足してくれば、周辺の国々を征服し、臣下のものに分け与えないといけない。国内は平定できても、世界はそう簡単にはいかない。
昔は、郷土愛はあっても愛国心などはなかった。国家(政府)さえもなかった。国内での反発から目をそらせるには、愛国心を「醸成」して、諸外国と対抗し、富国強兵をするのが一番だということで・・・。
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