もし「ウェイバリーの著者」(Or「『美しい国へ』の著者)」が「スコット」(or「安倍晋」三)以外の何者か(別人orゴースト・ライター)を意味するとすれば「スコットはウェイバリーの著者である」は偽となるが、これはそうではない。またもし「ウェイバリーの著者」が「スコット」を意味するとすれば、「スコットはウェイバリーの著者である」はトートロジー(訳注:「スコットはスコット」つまり、A = A で恒真命題)となるがこれもそうではない(そう言っているのででゃない)。それゆえ、「ウェイバリーの著者」は、「スコット」をもまた他の何ものをも意味しない、つまり、「ウェイバリー著者」は何ものも意味しない。証明終り。
If 'the author of Waverley' meant anything other than 'Scott', 'Scott is the author of Waverley' would be false, which it is not. If 'the author of Waverley' meant 'Scott', 'Scott is the author of Waverley' would be a tautology, which it is not. Therefore, 'the author of Waverley' means neither 'Scott' nor anything else - i.e. ‘the author of Waverley' means nothing, Q.E.D.
Source: My Philosophical Development, chap. 7:1959.
More info.: https://russell-j.com/beginner/BR_MPD_07-150.HTM
<寸言>
言葉をいい加減に使うと、不用意に使っているうちに、途中で違った意味で使っていることに気づかずに、論理的に矛盾することを言ってしまう危険性がある。 そういった罠にひっかからないようにするためには、論理学の勉強が必要だが、理屈っぽくて嫌われる。