命題関数というのは、一つの変項を含む式(論理式)であり、その変項に一つの値が指定されるやいなや、一つの命題となるものである。たとえば、「xは人間である」は、一つの命題函数である。そして x の代りにソクラテスやプラトンやその他の誰かを置くと、我々は命題を得るのである。我々はまた,xを、人でないところのもの(たとえば「猫」)で置きかえることもでき、そしてそれでもやはり一つの命題を得るが、その場合には偽なる命題(「猫は人間である」)を得るわけである。命題関数とは、一つの式にすぎない。それは、それだけでは何ものをも表さない。しかし,それは、真偽いずれにせよ,何ものかを主張する文の一部を形作ることが可能である。
A propositional function is an expression containing a variable and becoming a proposition as soon as a value is assigned to the variable. For example, 'x is a man' is a propositional function. If, in place of x, we put Socrates or Plato or anybody else, we get a proposition. We can also replace x by something that is not a man and we still get a proposition, though in this case a false one. A propositional function is nothing but an expression. It does not, by itself, represent anything. But it can form part of a sentence which does say something, true or false:
Source: My Philosophical Development, chap. 6,1959
More info.: https://russell-j.com/beginner/BR_MPD_06-050.HTM
<寸言>
人間の思考パターンの代表的なものを論理式を使って、命題関数で表現してみるとよい。
命題関数のなかの変項にいろいろな値(単語や熟語など)を代入することによって、人間が主張する事柄を全て表現することができる。
否定の否定は肯定になる。其の例の一つはたとえばこんな感じ。 「萩生田光一文科大臣は豚ではない」ことはない」という命題は、「萩生田光一門下大臣は豚である」と同値である。