バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

 大学を(種々の)部門に分けること(faculties 学部や学科)は必要だと思うが、,それによっていくつかの非常に不幸な結果を生んできた。(たとえば)論理学は哲学の一部門と考えられており,アリストテレスによって取り扱われたために、ギリシャ語に堪能な者によってのみ取り扱われる学科(主題)だと考えられてきた。数学は、その結果として、論理学を知らない者によってのみ扱われてきた。アリストテレスやユークリッドの時代から今世紀に至るまで、論理学と数学とのこの分離は、ひどい結果を引き起こしてきた。

The division of universities into faculties is, I suppose, necessary, but it has had some very unfortunate consequences. Logic, being considered to be a branch of philosophy and having been treated by Aristotle, has been considered to be a subject only to be treated by those who are proficient in Greek. Mathematics, as a consequence, has only been treated by those who knew no logic. From the time of Aristotle and Euclid to the present century, this divorce has been disastrous.
 Source: My Philosophical Development, chap. 6,1959
 More info.: https://russell-j.com/beginner/BR_MPD_06-010.HTM

<寸言>
 文系の大学の教員は、同じ分野を研究する者が集まって縄張りをつくって自分たちの分野の研究を進めようとする。あらゆる組織は自らを拡張しようとし、ここでも強い分野やグループが帝国主義的に領土を広げていく。
 数学ができない哲学研究者も、自分たちの分野や組織(学部や学科や専攻)に数学や記号論理学を武器にした研究者がはいってくると(彼らには侵略してくると映る)と押し戻そうと抵抗する。