科学とキリスト教神学との戦いは、時々前哨地で小競り合い(skirmish )は生じているにもかかわらず、今日ではほとんど終っており,そして、ほとんどのキリスト教徒が、それ(科学とキリスト教神学との戦い)によって自分たちの宗教がよりよくなっていることを認めるだろう,と私は考える。・・・そうして、よりリベラルなキリスト教徒の間には、価値のある一つの倫理説がいまだ残っている。即ち、隣人を愛すべしというキリストの教えが残るとともに、たとえもはや魂とは呼ばれないとしても,全ての個人の中に尊敬に値するものがあるという信念が,残っている。また、キリスト教会には、キリスト教徒は戦争に反対すべきであるという,成長しつつある信念が存在している。
The warfare between science and Christian theology, in spite of an occasional skirmish on the outposts, is nearly ended, and I think most Christians would admit that their religion is the better for it. ... There remains, among the more liberal Christians, an ethical doctrine which is valuable : acceptance of Christ's teaching that we should love our neighbours, and a belief that in each individual there is something deserving of respect, even if it is no longer to be called a soul. There is also, in the Churches, a growing belief that Christians should oppose war.
Source: Religion and Science, 1935, chapt. 10: Conclusion
More info.: https://russell-j.com/beginner/RS1935_10-020.HTM
<寸言>
昔はキリスト教以外の「邪教」を根絶するためには戦争もやむを得ないと考える信者や教会関係者がいた。今はそのことを「公言」するキリスト教会はないであろう。