バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

  「真理,正義,博愛,美というひとつの生きた理想」が常に自分の前に現前していると彼が言う時,ホールデン教授の言葉を私は疑わない。彼がそう主張しているのだからきっとそうに違いない。しかし,このような驚くべきほどの徳を人類一般に帰することになる時,私も彼と同等に自分の意見を言う権利を持っていると感ずる。私としては,(ホールデン教授の言うもの正反対の)虚偽,不正,無慈悲,及び醜さが、実際に於てだけでなく理想としても追求されているのを見出している。

I do not doubt Professor Haldane's word when he says that "an active ideal of truth, justice, charity, and beauty" is always present to him ; I am sure it must be so, since he asserts it. But when it comes to attributing this extraordinary degree of virtue to mankind in general, I feel that I have as good a right to my opinion as he has to his. I find, for my part, untruth, injustice, uncharitableness and ugliness pursued, not only in fact, but as ideals.
 Source: Religion and Science, 1935, chapt. 8: Cosmic Purpose
 More info.: https://russell-j.com/beginner/RS1935_08-150.HTM

<寸言>
 「真理,正義,博愛,美というひとつの生きた理想」が常に自分の前に現前・存在しているのなら喜ぶべきことであろう。しかし、「虚偽,不正,無慈悲,及び醜さ」を無視することによって苦しむ人が多くいる場合は、理想を掲げているだけでは、社会は改善されないし、人類の進歩にもつながらない。  国益は国民の益ならばよいが、一部の国民、特に弱者を犠牲にしての国家(=実際は為政者)の利益であってはならない。