バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

 自由意志(の存在)を信ずる者は常に,他の精神領域においても,意欲には原因があると, 同時に信ずる。・・・自由意志の教義の意味するところはそれを主張する人々に理解されていない。我々は「なぜあなたはそうしたのか?」と問い,その行為を引き起こした信念や欲求に言及する答えを期待する。人がなぜ自分がそのような行為をしたのかを自身でわからない場合,我々は原因を求めてその人の無意識(の世界)を調べるかも知れない。しかし原因はまったく存在しなかったかも知れないという考えは決して心に浮かばない。

Believers in free will always, in another mental compartment, believe simultaneously that volitions have causes. ... he implications of the free-will doctrine are not realized by those who hold it. We say "why did you do it?" and expect the answer to mention beliefs and desires which caused action. When a man does not himself know why he acted as he did, we may search his unconscious for a cause, but it never occurs to us that there may have been no cause.
 Source: Religion and Science, 1935, chapt. 6:
 More info.: https://russell-j.com/beginner/RS1935_06-140.HTM

<寸言>
 自分には「自由意志」がいっぱいあふれていると思う。しかし、他人、特に感情にかられて犯罪を犯したり多くの人達に迷惑をかける「困ったちゃん」は、冷静に考えて自分をコントロールすることができないので、「自由意志」がほとんどないように見える。 冷酷な経営者は、彼らから見て「成果をあげられない」従業員は「能力がない」だけではなく「自由意志」をあまり持っていないので、「ロボット」で代替できると考える者も少なくない。その人が置かれた環境、その人のおいたち、直前の刺激などがわかれば、その人がその次に何をやるか、どう考えるかわかる、つまり、「人間機械論」の考えは、こういった視点からでてくる。