バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

『バートランド・ラッセル-反核の論理学者』(学芸みらい社刊)p.224に引用されているラッセルの言葉です。(n.43)

 これらの小説(『郊外町の悪魔』や『著名人の悪夢』など)を書くことによって,それまで表現していなかった感情や,合理的根拠のまったくない恐怖に言及しないで述べることのできない思索(考え)を大いに解放することができた。・・・。このような虚構形式で,馬鹿げたことだとみなされるとともにごく小数者しか認識していない(人類に対する)危険を表現することができるということがわかった。・・・このようにして,私は,近い将来に起こるかもしれないし起こらないかもしれない,そうした危険について警告することができた。

The writing of these stories (Satain in the Suburbs, 1953; Nightmares of Eminent Persons, 1954) was a great release of my hitherto unexpressed feelings and of thoughts which could not be stated without mention of fears that had no rational basis. ... I found it possible to express in this fictional form dangers that would have been deemed silly while only a few men recognised them. ... In this way it was possible to warn of dangers which might or might not occur in the near future.
 Source: The Autobiography of Bertrand Russell, v.3:1944-1967, p.35
 More info.: https://russell-j.com/beginner/AB31-280.HTM

<寸言>
 これらの小説は The Collected Stories of Bertrand Russell, 1972にも収録されている。ただし素晴らしい挿絵(イラスト)は安価にするためが、まったく除去されているので、やはりオリジナル版(Satain in the Suburbs, 1953; Nightmares of Eminent Persons, 1954)の方がずっと価値があり、楽しい。