『バートランド・ラッセル-反核の論理学者』(学芸みらい社刊)p.220に引用されているラッセルの言葉です。(n.42)
人間は、楽しい空想に逃避して、火星や金星には地球よりももしかするともっと幸福でもっと正気な生活形態が存在するかも知れないと想像したくなることが時々あるものである。しかし、我々の気違いじみた技術がこれをはかない夢と化しつある。遠からず、人類が自滅しない限り、その破壊的な闘争が火星や金星にまで拡がってしまうことになるだろう。もしかすると、火星や金星のために望むべきは、地球人の愚行が宇宙に広がる前に地球上の戦争が人類を滅ぼすことかもしれない。
Sometimes one is tempted to take refuge in cheerful fantasies and to imagine that perhaps in Mars or Venus happier and saner forms of life exist, but our frantic skill is mucking this a vain dream. Before long, if we do not destroy ourselves, our destructive strife will have spread to those planets. Perhaps, for their sake, one ought to hope that war on earth will put an end to our species before its folly has become cosmic.
Source: Has Man a future? 1961
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<寸言>
もちろんこれは一時的な空想。人類が愚かなことばかり繰り返すのを見ると、人類が存続することがよいことなのかどうかといった妄想にかられることがある。しかし、すぐに思い直して、希望をつなぎ、世の中の悪との戦いに乗り出すことになる。