バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

『バートランド・ラッセル-反核の論理学者』(学芸みらい社刊)p.215に引用されているラッセルの言葉です。(n.40)

「ウィルソン米国大統領への公開書簡 (2)」
 戦争遂行のために当局によってなされつつあるすべてを世論が支持しているように見えるというのは,奇妙だと思われるかも知れません。しかし,このように見えること(この現象)によって,非常に多くの人々がだまされます。戦争の継続は,影響力のある人たちや新聞によって,積極的に擁護されます。そして,新聞は,どこでも同じですが,政府の統制下に置かれています。・・・現在存在している,継続的な戦闘行為への黙従は,全く恐怖心のせいです。あらゆる国が,敵こそが侵略者であり,敵を徹底的に打ち負かさなければ,2,3年以内に再び戦争を始めるかもしれない,と信じています。

It may be thought strange that public opinion should appear to support all that is being done by the authorities for the prosecution of the war. But this appearance is very largely deceptive. The continuance of the war is actively advocated by influential persons, and by the Press, which is everywhere under the control of the Government. ... Such acquiescence as there is in continued hostilities is due entirely to fear. Every nation believes that its enemies were the aggressors, and may make war again in a few years unless they are utterly defeatd.
 Source: The Autobiography of Bertrand Russell, v.2(1968)p.
 More info.: https://russell-j.com/beginner/AB21-220.HTM

<寸言>
 戦争は人間の冷静さを失わさせ、疑心暗鬼に陥らせる。中立公正を旨とする報道機関(マスコミ)も自己規制を行い、政府の思惑を「忖度」した報道をするようになり、戦争を遂行している政府の批判になるような報道は控えるようになる。今は「非常時」だからという言い訳で自分たちを納得させて・・・。