バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

『バートランド・ラッセル-反核の論理学者』(学芸みらい社刊)p.215に引用されているラッセルの言葉です。(n.39)

「ウィルソン米国大統領への公開書簡 (1)」
  ・・・わが国の軍国主義者たちは,兵士に投票権を与えることに反対し,成功しています。しかもあらゆる国々において,戦争で疲労しているのは敵側の兵士だけだと一般市民に思い込ませようとしています。殺害された若い命の日々の犠牲が,ほとんど耐え難いほどの恐怖となっています。しかし,あらゆるところで,平和を擁護することは兵士たちへの裏切り行為だとして,はげしく非難されます。あらゆる人々のなかで,兵士たちはとりわけ平和を望んでいるのにもかかわらずです。平和の友は,いたるところで,「亡くなった勇者たち」(注:日本では「英霊」)が'無駄に血を流した'ということであってはならない」という悪魔的な議論に遭遇します。」

Our militarists have successfully opposed the granting of votes to soldiers; yet in all the countries an attempt is made to persuade the civilian population that war-weariness is confined to the enemy soldiers. The daily toll of young lives destroyed becomes a horror almost too terrible to be borne; yet everywhere, advocacy of peace is rebuked as treachery to the soldiers, though the soldiers above all men desire peace. Everywhere, friends of peace are met with the diabolical argument that the brave men who have died must not have shed their blood in vain.
 Source: The Autobiography of Bertrand Russell, v.2(1968)p.29
 More info.: https://russell-j.com/beginner/AB21-220.HTM

<寸言>
 いったん戦争が始まると、自由に物を言えなくなり、国民はお互いを監視し始める。戦争の遂行(自国の勝利)に少しでも支障をきたすと思われるものは厳しくとりしまられる。そうして泥沼化していき、消耗戦となっていく。