バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

『バートランド・ラッセル-反核の論理学者』(学芸みらい社刊)p.139で引用されているラッセルの言葉です。(n.28)

 その日(裁判当日=1961年9月12日)の朝10時30分少し前,私たち夫婦が同志たちと共に,大勢の傍聴人(onlookers)の間を,裁判所に向かってボウ・ストリート(注:この通り沿いにロンドン中央警察裁判所がある)を歩いた時,そこはまるで舞台セットのように思われた。・・・ 禁固2ケ月の有罪判決が私に言い渡された時,「恥を知れ! 恥を知れ! 88歳の老人だぞ!」という叫びが傍聴人(onlookers)から起こった。私は腹が立った。その叫びは好意からであることはわかっていたが,私は故意に刑罰を受けようとしていたのであり,いずれにせよ年齢が有罪かどうかということに何らかの関係があるということを理解できなかった。

Bow Street seemed like a stage set as we walked down it with our colleagues amid a mass of onlookers towards the Court at a little before 10.30 in the morning. ...
When the sentence of two months was pronounced upon me cries of 'Shame, shame, an old man of eighty-eight!' arose from the onlookers. It angered me. I knew that it was well meant, but I had deliberately incurred the punishment and, in any case, I could not see that age had anything to do with guilt.
 Source: The Autobiography of Bertrand Russell, v.3.
 More info.: https://russell-j.com/beginner/AB33-230.HTM

<寸言>
 1918年に反戦活動のために有罪判決を受け約5ケ月間入獄したが、それに続いて2度めの裁判。この時は2ケ月の禁固刑が言い渡されたが、すぐに1週間に減刑された。