『バートランド・ラッセル-反核の論理学者』(学芸みらい社刊)p.44で言及されているラッセルの言葉です。
「ある時,私たち同様日本を旅行中の歴史家アイリーン・パワー(Eileen Power,1889-1940:英国の経済史家,中世研究者/右上写真)と一緒に郊外電車に乗っていたとき,席が一つも空いていなかった。しかし,ある日本人が親切にも席を立って自分の席を私に提供してくれた。私は席をドーラに譲った。すると別の日本人が自分の席を私のために空けてくれた。私はその席をアイリーン・パワーに譲った。ここにいたって,日本人たちは私の男らしくない行為にひどくむかむかして,あやうく騒ぎが持ち上がるところであった。」
Once, when we were in a suburban train with the historian Eileen Power, who was also travelling in Japan, no seats were available, but a Japanese kindly got up and offered his seat to me. I gave it to Dora. Another Japanese then offered me his seat. I gave this to Eileen Power. By this time the Japanese were so disgusted by my unmanly conduct that there was nearly a riot.
Source: The Autobiography of Bertrand Russell, v.2, chapt.3,
More info.: https://russell-j.com/beginner/AB23-140.HTM
<寸言>
戦前と比べれば、現代の男女関係は激変しているが、英米人から見れば、日本はまだ男性中心の社会だと思うであろう。特に政治家の男尊女卑ぶりは抜きん出ている?