バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

『バートランド・ラッセル−反核の論理学者』(学芸みらい社刊)p.43で引用されているラッセルの言葉です。

私たちが会った中で本当に好ましく思った日本人は,唯一ミス・イトウ(注:伊藤野枝、1895-1923)だけであった。彼女は若くて美しく,ある有名な無政府主義者(注:大杉栄, 1885-1923)と同棲しており,彼女には(大杉との間に)息子が一人いた。ドーラは彼女にこう尋ねた。
「当局があなたに何か危害を加えるんじゃないかと恐れていませんか?」
 彼女は喉もとに手をあてそれを横にひいて(首をはねられるまねをしながら)言った。
「遅かれ早かれ,当局は私たちを殺害するだろうことはわかっています。」


We met only one Japanese whom we really liked, a Miss Ito. She was young and beautiful, and lived with a well-known anarchist, by whom she had a son. Dora said to her: 'Are you not afraid that the authorities will do something to you?' She drew her hand across her throat, and said: 'I know they will do that sooner or later.'
 Source: The Autobiography of Bertrand Russell, v.2, chapt.3,
 More info.: https://russell-j.com/beginner/AB23-140.HTM

<寸言>
 1923年に起きた関東大震災の混乱にまぎれて、大杉栄と伊藤野枝は甘粕正彦率いる憲兵隊に捉えられて虐殺された。そうして甘粕正彦は愛国者として讃えられた。

 関東大震災の時には、「朝鮮人が井戸に毒を投げ込んだ」というデマが流布し、約5,000人が殺害されたといわれている。この数は不確かであるが、1,000人単位で殺害されたことはまず間違いないであろう。
 日本の保守層やネット右翼などは、関東大震災時の朝鮮人虐殺や、第二次世界大戦時における南京虐殺も否定する声が多い。
 第二次世界大戦で戦死した日本人は300百万以上という数字はよく言われるが、日本人が殺害した外国人の数に言及することは皆無である。(ウィキペディアによると)中国人は1,000万〜2,000万人が戦死したと書かれているが、内戦でもかなり亡くなっているが、日本の軍隊が殺害した数は、日本人の戦死者より多いと想像される。
   

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