バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

 社会の組織化された生活は必要であるが,それはメカニズム(機構)として必要なのであって,それ自体が価値あるものとしてではない。人生において最も価値あるものは,偉大なる宗教家たちが語ってきたものにより似ている。「全体主義国家」(注:corporate state 法人国家;経済の大部分を政府が統制管理する国家のこと)を信ずる人々は,我々の最高の活動は集団的なものであると主張するが,私としては,我々は各自異なった方法で最上のものに到達するし,また,群衆の情緒的な統一はより低い水準でのみ達成できる(レベルを下げないと達成できない)ということを主張したい。

The organized life of the community is necessary, but it is necessary as mechanism, not something to be valued on its own account. What is of most value in human life is more analogous to what all the great religious teachers have spoken of. Those who believe in the Corporate State maintain that our highest activities are collective, whereas I should maintain that we all reach our best in different ways, and that the emotional unity of a crowd can only be achieved on a lower level.
 情報源: Power, 1938.
 詳細情報:https://russell-j.com/beginner/POWER18_350.HTM

 <寸言>
 多数派に属したいという欲求により、付和雷同型の人間が増え、自分を大事にしないで他人や組織にあわせる人間となっていく。だから、自分で決めることによる責任を引き受けたくない人たちは、自分の頭でまず考えるということをしないで、まず他者(周囲の人間、世論)の意見や気持ちを知りたがり!、忖度し、自分が少数派に陥らないように自分を規制する。あわれなり。