単一の組織 -(たとえば)一つの国家- における権力の集中(化)が極端な形の専制政治の弊害を生みだすべきでないとしたら,その組織内の権力は広く分散されるべきであること,及び,従属する集団(配下の集団)が大幅な自治権(自主性)をもつべきであることは,必須である。民主主義が存在しないで,(中央政府からの)権限委譲(devolution)や法律外の処罰(extra-legal punishment)を免れること(immunity 免除)がなければ,経済的権力と政治的権力の連合(coalescence 癒合)は,新たな,ぞっとするような圧政の手段(instrument 道具)に他ならない。
If concentration of power in a single organization -- the State -- is not to produce the evils of despotism in an extreme form, it is essential that power within that organization should be widely distributed, and that subordinate groups should have a large measure of autonomy. Without democracy, devolution, and immunity from extra-legal punishment, the coalescence of economic and political power is nothing but a new and appalling instrument of tyranny.
情報源: Power, 1938.
詳細情報:https://russell-j.com/beginner/POWER18_230.HTM
<寸言>
強力に政策を実行するためには権限を集中化する必要があるということで、安倍政権は内閣人事局を設置し、そこで全省庁の約600人ほどの幹部の人事を一括して行えるようにした。愚か者や勘違い人間がトップにたち、忖度官僚が周囲を固めれば、最悪の結果になることは、火を見るよりも明らかだが、愚か者にはわからない。