バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

 重要人物とは,経済的権力に対する支配権を持っている人物のことであり,名目的な部分的な所有権を持っている人間のことではない。英国首相はダウニング街十番地(の首相官邸)を所有しているわけではなく,司教(たち)もその邸宅を所有しているわけではない。しかし,だからといって,首相や司教は,(自宅を持つ)平均的な賃金労働者と比較して,住居に関して(は)良くないと言うことは馬鹿げたことであろう。民主的でないいかなる形態の社会主義のもとにおいても,経済的権力を支配している人々は,いかなる物も「所有すること」なく,豪華な官舎の使用,最上の自動車の利用,王侯のような遊興費(の受給),公的な行楽地での公費負担による休暇(取得)等々が可能である。

The important person is the man who has control of economic power, not the man who has a fraction of the nominal ownership. The Prime Minister does not own No. 10 Downing Street, and Bishops do not own their palaces; but it would be absurd to pretend, on this account, that they are no better off as regards housing than the average wage-earner. Under any form of socialism which is not democratic, those who control economic power can, without 'owning' anything, have palatial official residences, the use of the best cars, a princely entertainment allowance, holidays at the public expense in official holiday resorts, and so on and so on.
 情報源: Power, 1938.
 詳細情報:https://russell-j.com/beginner/POWER18_200.HTM

 <寸言>
 そう、そういった地位についている限り、自分でお金をだすことはほとんどなく、また各国の首脳同士で(公費で)贈り物をやりとりできる。一番ありがたいのは鑑定書付きの美術品など。相続のときも、税務署には安物と説明し(税務署も権力者には忖度してくれる)、売る時は鑑定書を見せて(売ったの誰かは秘密にしてもらって)高額に売る。めでたし、めでたし。
 
   

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