バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

 容易に想像される条件下において(は),肉体的暴力を -殺害すら- ほとんどの人が承認するであろう。(たとえば)ガイ・フォークス(注:1605年発覚したロンドンにおける火薬陰謀事件の「実行」責任者)が列車にまさに火をつけようとしている時に,あなたが彼に遭遇したとしてみよう。また,彼を撃って(射殺して)初めて難を防ぐことができたとしてみよう。大部分の平和主義者でさえ,あなたの発砲行為を正しいと認めてくれるであろう。この(種の)問題を抽象的な一般的な原則 -あるタイプの行為を褒め,別のタイプの行為を非難すること- で処理しようとする試みは無益である。(即ち)我々は,権力の行使を,その結果(効果)によって判断しなければならないし,また,従って,まず,どのような結果が望ましいかということについて我々の心を決めなくてはならない。

Almost everybody would approve of physical violence, even killing, in easily imagined conditions. Suppose you had come upon Guy Fawkes in the very act of firing the train, and suppose you could only have prevented the disaster by shooting him; most pacifists, even, would admit that you would have done right to shoot. The attempt to deal with the question by abstract general principles, praising acts of one type and blaming acts of another, is futile; we must judge the exercise of power by its effects, and we must therefore first make up our minds to what effects we desire.
 情報源: Power, 1938.
 詳細情報:https://russell-j.com/beginner/POWER17_110.HTM

 <寸言>
 「結果がすべて」ということではないが、特に政治の世界では、考え方は間違っていなかったが結果はマイナスのほうが大きかった、ということではまずい。