科学的な平和主義者(a scientific pacifist)が，自分の発見あるいは発明が，次の（今後の）闘争において破壊を増大させるために使用されないであろうことを確実にする方法はまったくない。にもかかわらず，大雑把に言って，平時においてもっとも活動範囲を見出す技術（技能）と，戦時においてもっとも活動範囲を見出す技術（技能）との間には（一つの）区別がある。そのような区別が存在するかぎり，人間の権力愛は，権力を持っている人の技術（技能）が前者ならばその人を平和の方へと傾かせるであろうし，後者ならば戦争の方へと傾かせるであろう。
There is no way by which a scientific pacifist can make sure that his discoveries or inventions will not be used to increase the destruction in the next struggle. Nevertheless, there is, speaking broadly, a distinction between the kinds of skill that find most scope in peace and those that find most scope in war. In so far as such a distinction exists, a man's love of power will incline him to peace if his skill is of the former kind, and to war if it is of the latter.
情報源: Power, 1938.
詳細情報：https://russell-j.com/beginner/POWER17_090.HTM
＜寸言＞
世界の強大国においては、防衛予算は拡大の一途をたどっている。一番予算規模大きい米国の2019会計年度防衛予算は約80兆円となっている。中国は米国i比べればまだ予算規模は小さいが、急速に予模を拡大しつつあり、いずれ米国と拮抗する規模になると予想される。 日本は５兆円あまりと、米中に比べれば予算規模は小さいが、福祉予算の伸びをおさせるようにして防衛予算にまわしており、財政を圧迫する大きな要因になっている。 安倍総理は１機100億（米国の言い値）もする戦闘機を100機も購入する約束をトランプと簡単にする一方、数機分でまかなえる奨学金や保育施設や介護施設への支援はだししぶる。