バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

 残酷な衝動の源(源泉)は,通常は,幼年時代の不幸においてか,あるいは,苦しみや死が頻繁に見られたり加えられたりする内乱のような経験においてか,いずれかにおいて見出すことができる(is to be found)。(また)青少年期において精力の正当なはけ口がないことも(右と)同じ影響(効果/結果)を持つかも知れない。(若い時に)賢明な教育を受け,暴力の場面を見慣れて暮らすことなく,職業を見つけるにあたって不当な困難を経験することがなければ,残酷な人間になる者はほとんどない,と私は信じている。これらの条件が与えられるならば,大部分の人々の権力愛は,可能な場合は,有益な,あるいは,少なくとも無害なはけ口をむしろ好んで見つけ出すであろう。

The source of cruel impulses is usually to be found either in an unfortunate childhood, or in experiences, such as those of civil war, in which suffering and death are frequently seen and inflicted ; absence of any legitimate outlet for energy in adolescence and early youth may have the same effect. I believe that few men are cruel if they have had a wise early education, have not lived among scenes of violence, and have not had undue difficulty in finding a career. Given these conditions, most men's love of power will prefer, if it can, to find a beneficent or at least harmless outlet.
 情報源: Power, 1938.
 詳細情報:https://russell-j.com/beginner/POWER17_070.HTM

 <寸言>
 経済的にめぐまれた環境で育った人間も、青年時代に精力の正当なはけ口を塞がれた人間は、後に、その憤懣を他人にぶつけることがよくある。権力者の場合は、国民の一部をいじめることによって「快感」を得る者がいる。
 それ以外にいろいろ苦労したことを、成長の糧なったと思うどころか根に持つ者が後に権力を持つと、ねじれた心で、国民の一部を苦しめる政策を行って、「快感」を覚える者もいる。