バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

 過去において,民主主義に逆らう影響(力)を及ぼしてきた二つの力は、富と戦争であった。この二つ(の影響力)を例証するものとして、我々は,メディチ家とナポレオンをあげてもよいかも知れない。・・・。
 戦争は,(富の場合とは)異なったまたもっと暴力的な心理によって,(民主主義に)影響を及ぼす。恐怖心は人々に指導者を待望させ、成功した将軍は恐怖心の反対である情熱的な賛美を引きおこす。勝利は、当座は、真の重要性をもった唯一のものと思われるので、凱旋将軍は容易に自国(の人々)を説きつけて、彼に最高の権限を託す。危機が続く限り、彼は欠くべからざる人物と判断され、危機が去ったときにやめさせよう思た時にやめさせることはとても困難になっている可能性がある。

The two great influences against democracy in the past have been wealth and war. We may take the Medichi and Napoleon as illustrating these two. ... War operates by a different and more violent psychology. Fear makes men wish for a leader, and a successful general rouses the passionate admiration which is the obverse of fear. Since victory seems, at the moment, the one thing of real importance, the successful general easily persuades his country to entrust him with supreme power. So long as the crisis continues, he is judged indispensable, and when it is over he may have become very difficult to remove.
 情報源: Power, 1938.
 詳細情報:https://russell-j.com/beginner/POWER12_300.HTM

 <寸言>
戦時のリーダと平時のリーダとは性格がことなる。チャーチルはもともと英国民の間で人気はなかったが、第二次世界大戦で成果をあげ、さらにノーベル文学賞も授賞した。しかい、平時のリーダにはふさわしくないということで、引き下ろされた。