兄弟姉妹の嫉妬(心)は,家族内ではごく普通なものであり,後年,あまり深刻でない神経障害ばかりではなく,時には殺人狂の一つの原因になる(ことがある)。・・・。新たに弟や妹が生まれた時には,他の子供が,自分は両親にとって前よりも重要でなくなったと思いこむことがないように努力をしなければならない。嫉妬(心)の深刻な事例が生じた場合は,いつもこういう単純な教訓が無視されたことがわかるであろう,と私は考えている。
Jealousy of brothers and sisters is very common in families, and is sometimes a cause, in later life, of homicidal mania as well as of less serious nervous disorders. ... At the birth of a new brother or sister, pains must be taken to prevent the others from imagining that they have become less important to their parents than they were. Wherever serious cases of jealousy occur, it will be found, I think, that these simple precepts have been disregarded.
情報源: Bertrand Russell :Marriage and Morals, 1929
詳細情報:https://russell-j.com/beginner/MM14-030.HTM
<寸言>
複数の子供を育てたことのある(あるいは育てつつある)親ならよく理解できることであろう。しかし気がつくのが遅い場合は取り返しがつかないほどこじれてしまうこともある。思慮にかける親の場合は知らないうちにえこひいきな扱いをしていると子供に思われてしまい、関係修復が困難な事態にまで発展することはよく知られている現象。また、そういう実体験はなくてもドラマなどで疑似体験を多くの人がしている。