今日,家族が重要なのは,いかなる理由よりも,家族(というものが)が親としての情念(強い感情)を両親に与えることにある。女性(の親としての情念)だけでなく,男性の親としての情念は,(親としての)行為に及ぼす影響力という点で,おそらく,他のいかなる情念よりも重要であろう。子供のいる男女はともに,一般的に言って,主に子供に関連して自分の生活を調節(調整)するものであり,また,ごく普通の男女が,子供のために,一定の方法(やり方)で非利己的に行動する。その方法のうち,最も明確で測定可能なものは,おそらく,生命保険(をかけること)であろう。
The family is important at the present day, more through the emotions with which it provides parents than for any other reason. Parental emotions in men as well as in women are perhaps more important than any others in their power of influencing action. Both men and women who have children as a rule regulate their lives largely with reference to them, and children cause perfectly ordinary men and women to act unselfishly in certain ways, of which perhaps life insurance is the most definite and measurable.
情報源: Bertrand Russell :Marriage and Morals, 1929
詳細情報:https://russell-j.com/beginner/MM13-120.HTM
<寸言>
保険は安心を買うもの。特に,子供がいる場合は,(社会保障が十分でない国では)生命保険は必須と思われる。しかし、年をとるにつれて死ぬ確率が高くなる(余命が少なくなる)につれて保険料が高くなってゆき、無駄な保険内容となっているのではないかと気になるようになる。誰もいつまで生きるかわからないので、その保険が無駄か必要なものか判断がつきにくくなり、判断がつかないままずるずると掛け続けることになる。