バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

 旧約聖書は,大部分の初期の文明の道徳律(codes)同様,姦淫(不貞)を禁止しているが,旧約聖書の言う姦淫(不貞)とは,既婚婦人との性交という意味である。これは,旧約聖書を注意深く読む人なら誰にとっても明らかなことである。・・・
 聖パウロの見解は,初期教会によって強調され,誇張された。独身は神聖なものとみなされ,人びとは世を捨てて砂漠に行き,サタンと戦ったが,その間,サタンは人びとの想像力を好色の幻影でいっぱいにしたのだった。

The Old Testament, like most codes of early civilization, forbids adultery, but it means by adultery intercourse with a married woman. This is evident to anyone who reads the Old Testament attentively. .. St. Paul's view were emphasized and exaggerated by the early Church; celibacy was considered holy, and men retired into the desert to wrestle with Satan while he filled their imaginations with lustful visions.
 出典: Bertrand Russell :Marriage and Morals, 1929
 詳細情報:https://russell-j.com/beginner/MM05-030.HTM

 <寸言>
 家父長制の社会においては、家長にとっては、妻も子供も財産の一種となる。従って、妻と私通をした相手の男に対しては、自分の財産をよくも勝手に使ってくれたな、という怒りになる。妻に対する愛情がない場合でも、私有財産に対する侵害はゆるされざることとして相手にその損害の補填を求めることになる。