バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )
  
  人間の活動は全て欲求あるいは衝動によって促進されます。熱心な道徳家のなかには義務や道徳原理のために(は)欲求を抑制することは可能であるという趣旨の学説を提唱する者がいますが,まったく誤っています。私がこれは誤っていると言うのは,誰も義務感から行動しないということではなくて,義務に忠実であることを欲求するからという以外には義務は彼を拘束する力を持たないからです。人がやろうとしていることを知りたければ,ただ単にあるいは主として,彼らの物的な状況を知らなければならないだけでなく,むしろ,彼らのいろいろな欲求の全体をそれぞれの欲求の強弱の程度とともに(相対的な強さとともに)知らなければなりません。

All human activity is prompted by desire or impulse. There is a wholly fallacious theory advanced by some earnest moralists to the effect that it is possible to resist desire in the interests of duty and moral principle. I say this is fallacious, not because no man ever acts from a sense of duty, but because duty has no hold on him unless he desires to be dutiful. If you wish to know what men will do, you must know not only, or principally, their material circumstances, but rather the whole system of their desires with their relative strengths.
 出典: Bertrand Russell: What Desires Are Politically Important? 1950.
 詳細情報:http://russell-j.com/beginner/0944WDPI-020.HTM

 <寸言>
 このスピーチの趣旨は「政治的に重要な人間な欲求」について論ずること。従って,「政治的」でも「重要」でもない欲求を区別してわきにおいやっていっている。